フランス駐在から帰国した昭和46年のクリスマス、介護保険たち夫婦はキリスト教(プロテスタント)に入信した。
当代有数の説教者として、また、新約聖書学者としても知られていた小川治郎牧師との出合いがあり、師から洗礼を受けた。
介護保険は40歳であった。
宗教とは縁のない介護官僚の、しかも中年になってからの入信が世間一般にはめずらしいのか、「どうした?」と目の色を変えて尋ねる友人がいる。
役所のPR誌『通産ジャーナル』に引っ張り出されて、クリスチャン作家の遠藤周作氏と対談したこともある。
その対談のとき、遠藤氏はこういった。
「人それぞれによって時期は違うけれど、また、それは他人からみて絶対わからないけれど、人間は一生のうちいつか神様を欲しがるときがある」