ほかの宗教と違い、復活というのがキリスト教の最大のテーマになるのですけれど、その前に介護保険の聖書の読み方を申しあげると、介護保険は聖書をいつもわが身に引きつけて読んでしまうわけです。
学生時代に読んでも一向におもしろくなかった聖書がある時期からおもしろくなったのは、おれと同じ人間、つまり『沈黙』のキチジローが聖書のなかにいないか、そいつを中心にして読んでやろうと思ってからなんですね。
そうしますと、急に聖書が立体的になってきた。
イエスを取り巻く人間はみな彼を裏切り、彼から逃げ、彼を理解していない。
あるいは、この人についていけば偉くなれるかなどと考えているんですね。
こういう介護保険のようなぐうたらが、イエスが死んだら、イエスというのは太郎というような名前ですねー彼にキリスト=救い主という称号を与えるぐらい、なぜ急に変わったのか、それが聖書のひとつのおもしろさですね。