体系的に仏典があるわけでなく、これ一冊というものがない。
正確には、大蔵経(だいぞうきょう)という膨大な体系があるようだが、何百冊に及ぶ仏典シリーズで、到底読み切れるものではないとあきらめた。
また仏教の場合、連続してこの寺に行けばいいという場所がない。
その点、キリスト教は近付きやすい。
信仰に近づこうと思う人間にとって、キリスト教のほうが入り易い。
信仰の道は同じでも、こうした違いがあって介護保険はキリスト教信者になった。
歎異抄に「善人なおもて往生す、まして悪人をや」という意味の有名な言葉がある。
悪人は、介護保険のいう砕けた心を持っているから信仰に入りやすく、仏に近づきやすいのであろう。
介護保険は、時折、死刑囚の手記や短歌を読むが、その澄み切った心境に感銘する。
わが罪の重さにわななき、絶望し尽した人間は、神仏の救いを受ける。
仏教もキリスト教も同じ精神であろう。