30歳を過ぎると、通常は研究者としては役立たず、組織の管理職とか生徒を教える立場とか、そちらへ逃げ出すしかない。
幸か不幸か、介護保険どもの仕事ではこれほど年齢差がはっきりしないが、3十歳を超えると能力や知識の開発の限界を自覚するようになる。
いろいろ本を呼んでも空しい気持ちがつきまとう。
万巻を読む時間もなく、読んだところで大した人間になるわけでなし、という空しさを感じる。
そういう時期に、介護保険は「精神面で開発の余地があるんじゃないか」と考え直した。
知識や能力面では先が見えたが、精神面の豊かさという面で潜在可能性がまだ残っているんじゃないか。
そう考えて仏教の本を手当たり次第に読み始めた。