2015年5月アーカイブ

対策の効果と見通し

対策の効果と見通しを考えてみよう。

最大の効果は、庶民に対し、時間はかかっても、(通勤時間ではない)住宅を手にすることができるという現実的希望を与えることができる。

第2に容積率の緩和等により、即効的な内需喚起が期待できるとともに、大規模土地供給プロジェクトにより、長期にわたる内需主導型介護の実現が可能となる。

第3に、大量の土地供給を行なうことにより、首都圏の大規模、計画的な都市改造が実現する。

なお、一定価格での住宅供給の保証、都市計画上の配慮、大規模かつ長期性という諸点から、本プロジェクトは、国および地方公共団体が中心となる「官活」プロジェクトであるべきであり、大量の供給土地は公有を維持するのが適切であろう。

2つのアキラメ

対策立案に当たっては、2つのアキラメを克服しなければならない。

それは、土地の供給は有限であって、地価を下げることは到底できないというアキラメであり、今一つはしょせん多額の財政負担を要するだろうが、現下の財政事情から、多額の財政負担はできないというアキラメである。

なるほど、土地の供給は無限ではないが、需要も無限ではない。

土地もひっきょう商品であって、価格は需給を中心として動くのである。

従って、需要に対して、それを上回る供給を行えば価格は必ず下がるのである。

財政ももちろん有限であり、特に期間を限って考えれば、現下の財政事情からして多くを期待できない。

しかし、計画の期間を20年、30年、50年と長いスパンで考えれば、ほとんど無限の財政負担に堪えられるのではなかろうか。

仏教もキリスト教も同じ精神

体系的に仏典があるわけでなく、これ一冊というものがない。

正確には、大蔵経(だいぞうきょう)という膨大な体系があるようだが、何百冊に及ぶ仏典シリーズで、到底読み切れるものではないとあきらめた。

また仏教の場合、連続してこの寺に行けばいいという場所がない。

その点、キリスト教は近付きやすい。

信仰に近づこうと思う人間にとって、キリスト教のほうが入り易い。

信仰の道は同じでも、こうした違いがあって介護保険はキリスト教信者になった。

歎異抄に「善人なおもて往生す、まして悪人をや」という意味の有名な言葉がある。

悪人は、介護保険のいう砕けた心を持っているから信仰に入りやすく、仏に近づきやすいのであろう。

介護保険は、時折、死刑囚の手記や短歌を読むが、その澄み切った心境に感銘する。

わが罪の重さにわななき、絶望し尽した人間は、神仏の救いを受ける。

仏教もキリスト教も同じ精神であろう。

中間管理層の権威

特別会計制度とペーパレス計画の導入という大改革であるから、どうしても庁内のコンセンサスがいる。

時間はどんどんたっていくという具合である。

幸い一年近くコンセンサス形成に費して、ようやく間に合ったが、自分としては当初から不退転の決断をしていたから、うまく行ったのだと思う。

長官時代、逆にボトムアップ奨励の施策として考えて実行に移せなかったものに、QC制度の導入がある。

すなわち、QCの導入によって、ボトムアップによる庁内の活性化を考えたわけである。

残念ながら介護保険の提案は労働組合が受け入れるに至らず、時間切れとなって幻の提案となった。

この過程を通じて体験したことは、トップの優柔不断と並んで現状改革を妨害するのが、中間管理層の抵抗である。

「これまでこうやってきた」というのが、中間管理層の権威の基であり、拠って立つトリデなのだ。

現状を根本的に改革することは、この唯一のトリデを失うことを意味する。

理屈抜きで本能的に抵抗するわけである。

そのための理屈はいかようにもつけられる。

「制度の安定性が大切であり、法律改正は極めて慎重でなければいけない」などと。

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